― USB Type-C / EtherCON / 光を“同じ基準”で設計できるか ―
1. はじめに
屋外対応データコネクタは、珍しくありません。
しかし、USB・Ethernet・光を“同じ操作性・同じ保護基準・同じ構造思想”で扱える製品はあるでしょうか。
TRUE1 DATAが提示するのは、単体スペックの向上ではなく、接続設計の基準統一です。
ISE 2026で発表されたTRUE1 DATA Connector Seriesは、それぞれ異なる思想で扱われてきたデータ接続を、電源と同じ基準で設計できる状態へ統合する試みです。
本記事では、mediaCON TRUE1(USB Type-C)、etherCON TRUE1(CAT6A)、opticalCON TRUE1(2ファイバー)の仕様と、それらが設備設計に何をもたらすのかを整理します。
2. mediaCON TRUE1(USB Type-C)
2.1 主な仕様
• 最大100W給電対応(20V/5A USB PD 3.0)
• 最大5 Gbit/s データレート(USB 3.2 Gen1x1)
• IP65 / IP66 / IP67(組み立て状態)
• TRUE1ロッキング構造(内部ロック機構)
• メタルデータコンテナ構造
発売開始予定:2026年4月末以降


2.2 設計視点でのインパクト
USB Type-Cは急速に普及していますが、設備用途での常設設計は限定的でした。
理由は、
・機械的保持力
・屋外保護性能
・長期耐久性
といった物理的信頼性への懸念です。
mediaCON TRUE1は、これらの懸念に対して構造レベルで回答しています。
機械的保持力に対しては、TRUE1ロッキング構造(内部ロック機構)を採用し、確実な嵌合保持を実現しています。
屋外保護性能に対しては、IP65 / IP66 / IP67対応に加え、交換可能シーリングキャップを採用し、長期運用を前提とした設計としています。
長期耐久性に対しては、
・1440時間の塩水噴霧耐性
・UV耐性材料の採用
・メタルデータコンテナ構造による剛性確保
により、環境劣化に依存しない構造信頼性を確保しています。
その上で、
・最大100W給電
・最大5Gbit/s通信
を同時に成立させることで、USB Type-Cは「汎用I/O」から「設備用インターフェース」へと位置付けが変わります。
2.3 設計上の変化
USB Type-Cを、
• 屋外端末給電ポート
• 制御機器常設リンク
• スマート設備メンテナンスポート
として設計前提に組み込む選択肢が生まれます。
3. etherCON TRUE1(CAT6A)
3.1 主な仕様
• CAT6A対応
• PoE++(IEEE 802.3bt Type 4 / Class 8, 最大100W)
• IP65 / IP66 / IP67(組み立て状態)
• TRUE1ロッキング構造(内部ロック機構)
• Airtight設計
発売開始予定:2026年5月末以降

3.2 「CAT6A × TRUE1」の意味
CAT6A対応のIP67製品自体は存在します。
TRUE1 DATAの本質はそこではありません。
ポイントは、
• 電源と同じUI
• 電源と同じロック思想
• 電源と同じ保護レベル
でイーサーネットを扱えることです。
3.3 設計上の変化
• 電源とデータで異なる施工ルールを持たなくてよい
• 接続設計の前提条件を統一できる
• 盤設計時の“例外”を減らせる
これは通信スペックの話ではなく、設計効率とヒューマンエラー低減の話です。
4. opticalCON TRUE1(2ファイバー)
4.1 主な仕様
• 2ファイバー構成
• 奥行きを最小化した設計
• IP65 / IP66 / IP67(組み立て状態)
• TRUE1ロッキング構造(内部ロック機構)
発売開始予定:2026年5月末以降


4.2 奥行き最小化の意味と寸法比較
光レセプタクル設計で制約になるのは、
• シャーシ奥行き
• ケーブル曲げ半径
• 内部スペース干渉
です。 特に屋外盤や高密度ラックでは、数ミリの差がDINレールや隣接機器との干渉に直結し、光接続の採用可否を左右します。
opticalCON TRUE1は、これらの制約を考慮し、従来製品より奥行きを抑えた設計としています。
■ 従来製品との寸法比較
| 項目 | opticalCON ADVANCED | opticalCON TRUE1 | 差分 |
|---|---|---|---|
| パネル面からの奥行き | 24.65 mm | 19.9 mm | −4.75 mm (約19%削減) |
| 端子・保護キャップ含む総奥行き | 34.65 mm | 24.9 mm | −9.75 mm (約28%削減) |
※数値は代表値
総奥行きで約10mmの短縮は、屋外盤や高密度ラック設計における物理的制約を緩和し、光接続を“採用可能”な選択肢へと引き上げます。
4.3 設計上の変化
光接続を「スペースがあれば採用」ではなく、設計前提として組み込める選択肢へと拡張します。
5. True Outdoor Protectionに基づく耐環境設計
TRUE1 DATAは、1440時間の塩水噴霧試験を含むTrue Outdoor Protection(TOP)思想に基づき、以下の耐環境特性を備えています。
・IP65 / IP66 / IP67(組み立て状態)
・Corrosion resistance:1440時間塩水噴霧試験
・UV protection
・V0 Halogen free
・交換可能シーリングキャップ
これらは単一部品による性能ではなく、構造全体として成立させた耐環境設計です。
6. 共通する設計思想
3製品に共通するのは、
• TRUE1ロッキング構造
• 構造依存型のIP性能
• メタルデータコンテナによる剛性確保
USB・Ethernet・光を“同一基準”で扱えることが最大の特長です。
単なるラインアップ拡張ではなく、接続設計の抽象度を引き上げる試みです。
7. 用途拡張の可能性
TRUE1 DATAはAV用途に限定されません。
• 屋外常設設備
• スマートインフラ
• 産業制御
• 公共設備
• 放送・中継
電源とデータを別思想で扱う時代から、同一基準で統合する設計へ。
8. まとめ
TRUE1 DATAは、
• 100W
• CAT6A
• 2ファイバー
• IP67
• 1440時間塩水噴霧耐性
という具体仕様を備えながら、真に変えるのは“接続の考え方”です。
USBやEthernetを屋外で使う際、皆様はどこで設計上の制約を感じていますか。
その制約を減らすための一つの具体的な選択肢が、TRUE1 DATAです。